こんにちは、メカニカルデザイン事業部の森本です。
これが初ブログとなります。
今回は、サーフェスについてお話ししようかと思います。
まず、サーフェスとは何か?と言いますと、3D CADで形状を作成するために必要な要素です。
3D CADのモデリングというのは、「点」を押し出して「線」を作り、「線」を押し出して「面」を作り、
「面」を押し出すことで「立体」を作る、という方法で形状を作っていきます。
この中の「面」に相当するのが「サーフェス」と呼ばれています。
(Microsoftのタブレットパソコンではありませんよ)
今、私は主に玩具・プラモデルの設計に携わっているのですが、その過程で複雑なサーフェス
を作成しなければならない場面が非常に多くあります。
(プラモデルを作った経験がある方は何となく分かって頂けるかと思います)
ところがそのサーフェス君、多くの場合言うことを聞いてくれません。
そもそも面が張れなかったり、歪んだり、折れたり・・・と、なかなか自分が狙った通りに形状を作ってくれないことが多いのです。
ではどうするのか?
そう、サーフェス君と対話、そして和解するのです。
これから、簡単な例と共に、どうやってサーフェス君に言うことを聞かせるのかご紹介したいと思います。
・下画像のような線を基準として、ドーム型の形状を作成するとします
・何も考えずに、線と線の間を繋ぐようにサーフェスを作成すると、↓図のようになります。
桃のような形になり、ドーム型とは程遠いですね。
・では、ここから対話タイムです。
サーフェス君は、横方向にどんな形で形状を作っていいのか分からないと言っています。
では、先程の基準線に、赤い輪郭ラインを足してみましょう。
「いいかいサーフェス君、この赤いラインに沿って面を張るんだよ」
・かなりドーム型に近づきました。
ですが、よく見ると一部面が歪んでいるのがお分かりいただけるでしょうか?
・面の歪みを測定するツールで色を付けると、歪んでいる箇所だけ色が変わって表示されます。
下図赤丸の部分がそうですね。
・さらに対話を重ねます。
片側は問題なかったので、そのまま使えます。
オレンジの面を切り取って、残った面に正接するようにもう一度張りなおしてみましょう。
「よーしよしよし、いい感じだ。ただ、ちょっとだけ良くない面があるから、そこだけやりなおしてみようか?」
・きれいなドーム型ができました
歪みもなく、狙った通りの形状ができたので、これで和解完了です。
以上のように、基本的に言うことを聞いてくれないサーフェス君ですが、
根気強く対話を重ね、なぜ上手く面が作成されないのか考え、適切な面の張り方を制御してあげることにより、思いのままの形状を作ることができるのです。
今回ご紹介したのは非常に簡単な例ではありますが、形状が複雑化していったとしても基本的には同じ要領です。
さあ、サーフェスと和解し、3D CADを使いこなしましょう!
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